every new beginning comes from some other beginning's end だなぁ

標高3,776m、富士山剣ヶ峰に登頂!

8月7日(金)に富士山を登ってきました。一泊三日と弾丸ツアーで疲れたけどとても楽しめました。富士山は日本百名山の一つで日本一高い山だけど、登った印象は「前回登った羊蹄山より楽かも~」ぐらいでした。と言うわけで当エントリーで今回の富士登山旅行を出発から振り返ってみましょう。

8月7日午前7時50分、新千歳空港発のバニラエアにて成田空港へ向かう。今回は交通費節約のためLCCを使うことにした。本当はJAL・ANA・スカイマーク等で羽田に向かった方が行程的に楽なんだけど、成田から都内への交通費を考慮してもLCCで成田着にした方が安いのだ。しかも成田空港は初めてだし一度訪れてみたかったから調度良いのだ。

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成田空港までは約1時間30分のフライト。この程度の時間なら座席の狭いLCCでもまったく問題ナシ。今回は受託手荷物20kgまで無料とかその他特典が諸々付いた「コミコミバニラ」というチケットを往復で購入。普通運賃より少し値段が上がって往復で¥25,000でした。

富士登山は三人パーティーである。自分含めた二人は北海道から、もう一人は東京府中市在住のロッククライマー(!!)である。わたしの同行者の友人である。成田空港から府中の分倍河原駅まで電車で移動し、そこでクルマにてピックアップしてもらう手筈となっている。成田空港から約2時間かけて分倍河原駅まで移動。

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分倍河原駅のホームに降り立った途端全身にまとわり付くこの熱気!さすが東京、暑すぎやん。

ロッククライマーさんと合流し昼飯を食いに行く。東京名物(と書いてあった)の”伝説のすた丼”である。お店によるとこの”伝説のすた丼”とは「秘伝のニンニク醤油ダレを絡めた豚バラ肉を大盛りご飯にのせたスタミナとボリューム満点の『すた丼』を中心に、丼もの・麺類・餃子などバラエティー豊かなメニューで展開」であるお店とのこと。

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ででーん!!

いただきまーす!ハフハフ む、これは!ハフハフ 薄切りの豚肉に!ハフハフ ニンニクダレが上手く絡まっておりご飯がすすみまくり!ハフハフ

味噌汁ズズー

美味しかった。ごちそうさま。

今回の富士登山に使用する登山道は須走コースである。この時期はマイカー規制により登山口へは直接向かえないが、シャトルバスまたはタクシーで登山口へ向かうことが出来るよう、道の駅”すばしり”付近にシャトルバス&タクシー乗り場及び臨時駐車場が設置される。

府中から中央自動車道を通り、静岡県駿東郡小山町須走には14時40分に到着した。登山開始は22時を予定なので、しばらくは道の駅”すばしり”近くのスーパー銭湯”天恵”に滞在することにした。風呂に入りしばし仮眠、18時に施設内のレストランで晩飯を食べる。

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山梨名物の”ほうとう”である。

味噌をベースにざく切りのうどんとたっぷりの野菜を煮込んだ郷土料理だ。家庭的な味でこれが美味いのだ。炭水化物はもちろんその他の栄養素も摂取できるから登山前にはピッタリな食べ物だ。実際今回の登山で山頂までバテなかったのはこの山梨名物”ほうとう”による影響が大きいと思われる。

施設内にて荷物の再パッキングを行い臨時駐車場へ向け出発。途中、コンビニにて水4Lと山頂での食事用におにぎりを二個購入した。ちなみに、後で別エントリーで書こうと思うが水4Lはさすがに多すぎた。結論を述べると丸々2L余してしまった。大量に持っていった行動食も半分ぐらい余ってしまったし。まぁこれについては別記事でということで。

20時20分、臨時駐車場着。

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アリタリアカラーが珍しいトヨタ・ハイラックス

最終の登山バスはもう出発してしまった(20時最終)。臨時駐車場では常にタクシーが客待ちしているので、これを利用し登山口へ向かった。臨時駐車場から登山口までは小型のタクシーを利用して運賃は¥3,330(中型だと¥3,800ぐらい)。

お喋りな運転手のおじちゃんと談笑しながら、約12kmのクネクネとした山道を行く。坂の傾斜もかなりキツい。おじちゃんから聞いた話では、坂がキツすぎて観光バスがエンジンブローを起こしたこともあるとのことだ。

21時、須走口五合目に到着。

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登山バスの運行が終わっているためか人は少ない。我々三人と男二人組みの登山客、有料トイレの監視員1名のみである。

富士山のトイレはすべて有料である(¥200~¥300)が、この登山口のトイレからすでに有料なので、出来れば臨時駐車場のトイレで用を済ましてから登山口に向かった方が良いだろう(わたしは¥200払って登山口でしました)

登山口にて30分ほど滞在し(本当は高山病対策のため最低1時間は休憩した方がいいらしい)、21時15分登山スタート!

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あたりは真っ暗

真っ暗闇の中、ヘッドランプの灯りを頼りに樹林帯を進んでいく。須走コースは五合目から六合目の小屋を過ぎたあたりまで樹林帯が広がっている。登山道に関してはよく整備されているので特段危険な箇所はない。登山開始から1時間程で六合目の長田山荘に到着。

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麓の街の灯りが綺麗に見える。と、同時に雷を確認。かなり遠くの雷雲によるものだが結構ビビった。しかしYahooの雨雲レーダーで確認したとおり、結局この雷雲は富士山の方にはやってこず、そのまま海側へ流れていき消えた。

0時45分、本七合目着。須走コースは登山客が少ない、おまけに辺りが暗いせいもあってか黙々と集中して登ることが出来る。そして気付けば本七合目。登山開始より3時間30分が経過しているが、ここまでこの時間の長さを感じさせない登りだった。

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シャッタースピードを5秒ほどに落とし、木製のベンチにカメラを置いて撮影してみた。街の灯りが綺麗であるし星もよく見える。

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ISO感度はもう少し下げた方が良かったかな(写真はISO1000)。あとやっぱり夜間に写真を撮るなら三脚必須だね。わたしもそろそろ本格的な三脚を買おうかしら…

標高が3000メートルを超えたので高山病にならないようさらに注意深くなる必要がある。腹式呼吸で、鼻で息を吸って口で吐き切るというのが良い。前回の当ブログエントリーでわたしが高山病にビビりまくった様子が伺えると思うが、登山開始時よりこの腹式呼吸を意識していたお陰か、結局高山病にはかからなかった。

薄い空気の中でいかに身体に酸素を巡らせるかが大事なのだ。ちょっと走ったり岩場を登ったりと、少し身体を多めに動かしたなと思ったら深呼吸をすると高山病対策になって良いだろう。

そしてやはりここは富士山。八合目を過ぎたあたりから登山道脇にチラホラとやられている方々が見受けられるようになる。話は飛ぶが、下山後の湯河原温泉にて、旅館までの移動で使用したタクシーの運転手のおばちゃんも「過去に一度富士登山を行ったが九合目付近で突然高山病に見舞われ大変な思いをした」とのことだ(その時は気合いで登り切ったようだ)

1時45分、八合目着。この八合目より須走ルートと吉田ルートとが合流し山頂まで一本道となる。吉田ルートは富士山の4つあるルートの中で最も登山客の多いルートだ。その理由は登山道における山小屋や救護所の豊富さにある。吉田ルートを管理する自治体が、富士登山を観光の目玉として据えているため、登山道の設備の充実化を図っているのだ。

八合目の山小屋からは

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このように人が多い。ご来光を拝むためこの時間から山小屋を出発する者も多そうだ。人の多さに若干ウンザリしたが、ヘッドランプの明かりが山頂まで続いていてお祭りみたいでキレイだなーなんてことを思った。

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ここより山頂までは「3歩進んで5秒止まる」状態でした。本当にチョロチョロとしたペース。九合目を超えたあたりからゴツゴツとした岩場が現れるがこちらも大した危険ではない。八合目から山頂まで、渋滞が無ければ1時間ほどで登れるところを結局2時間30分かけて登った。

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地平線の彼方が白み始めた4時15分、つまり登山開始から7時間後

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ツイタb(^ω^)d

須走口山頂に到着いたしました!ここまでは決して順風満帆ではなくいくつもの困難があったとおもいますが無事に着けて良かったです。

しかし山頂の様子は異様でした。

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出店の明かりが煌々と…(;●ω●)

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自動販売機まで!?(;´゚ω゚)て

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人がたくさんで賑やかだな~(;×ω×)

一瞬自分が標高3,776mで日本最高峰の山の頂から地元のお祭り会場へ瞬間移動したような錯覚に陥った。これは不思議。

ここまで耐寒装備としてレインウェア上下、フリースと徐々に着込んできたが、山頂はさらに寒いのでパタゴニアのインサレーションダウンを着込んだ。あぁ暖かい。

これから富士登山を考えている人はフリース、ダウン、レインウェアは必須装備に加えておこう。ちなみに、耐寒装備として持っていったニット帽・バラクラバ・ネックウォーマーは使わなかった。これらはレインウェアのフードで代用が可能だ。

しばし待機しご来光を待つ。

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日よ出でよー!

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4時50分を過ぎたころ

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キター!!

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無事にご来光を拝むことができました。

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突然万歳三唱が始まったけど富士山頂での定番なのかな?NIPPONらしくてイイね!

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なんとなく宗教チックな画になったあたりはさすが富士山

ご来光を拝んだ後の5時15分ごろ、本当の山頂である剣ヶ峰へ須走口山頂からお鉢を時計回りで向かった。途中のトイレでう○こをした(トイレ使用量は300円。トイレで両替が可能)。富士山頂でう○こだなんて…ステキ。

剣ヶ峰までは須走口山頂から片道40分程である。

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これはみな山頂待ちの行列である。我々も大人しく並ぶ。

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これで日本最高峰を制覇!やったぜ☆

お鉢を時計回りに須走口山頂まで戻りしばし休憩。出店の看板にホットココアの文字を確認したため注文してみた。山頂でわざわざココア作ってくれるんだー!ワクテカ と思ったら

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山頂価格¥400

ま、そりゃそうだよな…しかし一瞬動揺してしまってお釣り受け取るのを忘れるところだった。それでもココアはココアである。とても美味しい。山頂にて土産品を購入し下山することにした。

7時20分下山開始。

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下山は登りとは別に専用の下山ルートが用意されている。軟らかい砂または砂利の上を下っていくのだ。一歩足を踏み入れると踵からそのままズズッと数十センチ滑りながら沈み込んでいく。この感覚も不思議なもので、フカフカのマットの上を歩いているようである。テンポよく右・左・右・左と下っていくとさながらスキーのような感覚である。ストックがあるとさらに下山が捗る。

砂利の上をかなりな勢いで下るので、登山靴はハイカットなものでさらに小石が靴に入り込まないようゲイターは装備しておいた方がいいだろう。

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これぞまさに雲海テラス

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六合目の小屋

六合目まで下り高山病の恐れは無くなったが、一つ問題が発生した。偏頭痛のような頭の重たくなるような感じ。行動食ですら口に入れるのが億劫になる。これはいわゆるシャリバテってやつだ。シャリバテは、シャリ(飯)が足りなくなってバテてしまった状態、つまり低血糖の状態のことを言う。

登山開始前に購入したおにぎりは結局山頂で食べなかった(食べたいという気力がおきなかった)し、持参した行動食のフルグラや柿の種は小まめに口にしていたつもりであったが、いかんせん絶対的なエネルギーが不足してしまったのだろう。

10時には下山を完了したが(下山タイム2時間40分)、頭痛に悩まされてもうフラフラである。五合目から臨時駐車場まではタクシーを使ったが、道がクネクネしているものだから気持ちが悪くて仕方なかった。駐車場に着いてからも荷物を片す気力もない。

行動食にフルグラとカントリーマアムを持っていったけど、この二つ、甘さのタイプが似ているので食べていて飽きてくるのだ。ドライフルーツとか梅干とか、味にバリエーションを持たせた方が良いだろう。今回飛行機にガス缶を預けられないとのことで湯沸しセットを持参せず、アルファ米は持って行かなかったけど、これは水でも戻すことが可能だから(お湯で15分、水で60分)三種類ぐらいに登山開始前に水を入れておいて細かく食べながらの山行にすれば良かったかなと反省。柿の種とフルグラだけでエネルギーを全て摂取するのは無理があったようだ。

というわけで富士登山を終えた。最後グダグダしてしまったし色々課題が残ったが全体的にはとても楽しめた登山であった。

再びスーパー銭湯”天恵”を訪れる。風呂に入る前に自動販売機でアップルジュースを買って飲んだ。少し落ち着いた気がする。風呂に入り、食欲は無いが昼飯(天ざるそば)を食べ仮眠室でしばし休んだ。思えば徹夜で登山をしてきたわけで疲れていないわけがない。

ロッククライマーさんとは御殿場駅でお別れした。分倍河原から須走まで、須走から御殿場駅まで乗せてもらってありがとうございました!

御殿場駅から今日の宿がある湯河原温泉へ向かう。数々の文豪(国木田独歩、芥川龍之介、夏目漱石、与謝野晶子等々…)が愛した湯河原。夏目漱石最後の小説”明暗”も舞台は湯河原である。夏目をこゝろの師と仰ぐわたしは以前よりぜひ一度湯河原に訪れてみたいと思っていたのだ(本当は”ガキの使い 笑ってはいけない温泉宿 in 湯河原”を見て興味を持ったのだ。あれ面白いよね…)。

奥湯河原の宿”ながお”に宿泊。この宿はご飯の評価が湯河原温泉街の宿の中で最高だったのだ(じゃらん.net)

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部屋は6畳程とコンパクトだが、雰囲気の良さは格別だ。

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これは!

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素晴らしい飯である!ちなみにわたくし人生で初めてアワビを食べました。んん~。

次の日は帰りの便が19時45分と余裕のある時間のため、東京都内のアウトドアショップを巡ることにした。と言っても10時に宿を出発し湯河原駅から新橋駅までは1時間半はかかる。その他準備にかかる時間をあれこれ勘案すると都内観光に使える時間はあまり無い。

案の定、下北沢のアウトドアショップ”BOZEMAN”、中目黒のアウトドアショップ”BAMBOO SHOOTS”を巡るとすでにいい時間となった。岩本町の”Moonlight Gear”にもぜひ訪れたかったが「日曜定休」であることが店に向かっている途中で判明し落胆した。

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19時45分発のバニラエア915便で帰途に就く。実際は機内準備遅れのため30分ぐらい遅れた。着陸間際にウトウトしちゃって着陸の衝撃でえらいビックリした。

北海道は寒い。道具の片づけが面倒だ。と言うわけで日曜日に帰ってきて道具の整理は今日になってようやく終わった。今回の旅も良い旅でした。

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