every new beginning comes from some other beginning's end だなぁ

【円山登山】味噌汁に冷えたにぎり飯を突っ込んだ雑炊が食べたくなったぞー!

というのも最近、新田次郎の『剣岳 点の記』という小説を読んだためなのです。

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話は明治39年剣岳初登頂に成功した参謀本部陸地測量部の測量官を題材としたもので、数々の山で測量をこなしていく主人公とそれをささえる山案内人(人夫)たち。そんな小説の中で

”過酷な気象条件の中で測量を終え、冷えに冷えたにぎり飯を味噌汁に混ぜて雑炊を作り食べた”

みたいな一節があるのだが、そんな飯が過酷な描写と相まってかとても美味そうに感じた。

というわけで俺もやってみることにした。

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わざわざ味噌とダシを持っていくのは面倒くさいので、インスタント味噌汁(特売で12食入り80円!)を用意した。

そしておにぎりを二つ作った。おにぎりなんてのは一人暮らしを始めて9年になるが片手で数えられるぐらいしか作ったことがないので得意ではない。

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あとは湯沸かしセットと適当な分量の水を用意した。

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ザックにこれらと雨合羽を詰め込んで準備完了だ。さてどこに向かおうか。三角山か円山だな、あまり標高が高いとまだ雪が残っていて危ないだろう。それに自転車で向かうには三角山は自宅からはちょっと遠い。なので円山に行くことにした。

10時に出発しようとしていたのにアレやコレやで11時出発になってしまった。14時からテニススクールの予定が入っているので登山&昼飯は手早く行わなければいけない。当日は道ばたの砂埃が舞い上がり自転車の通行を妨げるような風の強い日であった。

登山口到着。って!

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雪がたくさん!

おおっとこれは予想外だ。円山なら大丈夫だろうと高をくくっていたがかなり雪が残っている。今年は積雪が少なく街中の雪はほぼ溶けて消えかかっていたので侮ってしまった。よくよく考えてみれば木々に日光を遮られれば当然融雪は遅くなるはずである。

ま、しかし円山なら大丈夫だろうと11:30登山開始。

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山の斜面によって日の光が届き辛いところはかなり雪が残っている。水分を含んだザクザクの雪なので登山靴でも登れないことはないけど、軽アイゼンぐらいあった方が安心だと思った。

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稜線部、日の当たり易いところは雪解けが進んでいるようで歩き易い。途中大股で段差を超えようとしバランスを崩してヒヤッとした箇所があったがそれ以外は気をつけて登ればなんてことはなかった。

黙々と進んで11:55山頂に到着。25分とはまずまずのタイムである。

さてお昼ごはんの準備をするか…と思ったら、今日の気候によるせいか山頂はどの場所を取っても強い風にあおられてしまう。新しく買ったスノーピーク・ギガパワーストーブ”地”専用風防をテストしようにももう少し風が穏やかなところじゃないと…

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風除けに丁度良さそうな倒木を発見。おお、ここの陰ならよさそうであるなカァカァ

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ううむ…カラスがじとっとこちらを見ているではないか。飯を拡げたとたんに襲われたら大変だ。それにここで飯を拡げる+食べる+撤収+下山+帰宅で14時の予定に間に合うのか…?ここはひとまず下山して公園で飯を食うことにしよう。さっさと下山すれば飯の時間ぐらい取れそうな気が…(なんとなくこの時点で飯食ってる時間は無いと察知。寝坊しなければなぁ…)

動物園コースから下山開始。相変わらずの積雪である。

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慎重に下ればなんてことない。小さい子連れの親子も登っている、親子に道を譲る。子は小学校低学年と幼稚園ぐらいの兄弟である。弟の手を握りながら一歩一歩と歩を進める健気な兄の姿に思わず心の内より溢れるそれを持参した手ぬぐいで拭わずにはいられなかった(嘘)。そうだそうだゆっくりでいいのだぞ。俺の昼飯はどこにも逃げないからな。それにしても兄ちゃんしっかりしとるなぁ。

そして再び下り始める。5分ほど下ったところで50代中盤ぐらいと思われる一人の男性が、登山途中であると思われるが左の手のひらを上にし、胸の高さほどに上げ視線は横縦ともに斜め45度上方を見つめそのまま黙って立っている。

「え…?なにこれ…?え…?森の妖精にしてはいささか歳が…」と甚だ怪奇なものに出くわしたときのような心地で「コ…コンニチワー」と男性の横を通り過ぎようと一歩足を踏み出したところ

ピヨッピヨッ!!バササッ

なんと一羽の小鳥が男性の胸の高さに上げられた手のひらに羽ばたいてきたではないか!なんとこやつ鳥獣遣いであったか!!(失礼)

いやしかし、よく見ると鳥用の餌が盛られ小さな器を手のひらに載せているではないか。なるほどそれであの体勢だったのだ。男性曰く「円山はよく登るので最近じゃ普通に登るんじゃなくてこうして楽しんでいるのだよ」

とのこと。おおそれは楽しそうであるなぁと思った。一人でするにはちょいと気恥ずかしい感じがするので誰かを巻き込んでやってみようかな。

その男性と5分ほど会話をした後再び下山を開始した。昼飯の時間は?うーん手早く下れば…いやもうないな。

25分ほどで下山完了。大師堂前の小橋を渡ったところで、金髪で端正な顔立ちでリードで繋がれた小型犬を散歩中の男性と目が合い会釈をした。直感的に『やはり外国人と犬の組み合わせは画になるなぁ』なんてことが脳裏にふと現れたところで声をかけられた。どうやら犬を連れて登山をしたいらしい。

しかし彼は革靴を履いていたので、まだ雪がたくさん残っているよとの旨を伝えるとまた今度にするとのことであった。

人なつこい犬(シュナウザー)としばし戯れながら5分10分世間話をした(兄さんはほぼ完璧な日本語)。もう昼飯なんてのはどうでもいいのだ。彼は一年前にロシアからこちらに来たようだ。歳も近そうだったし友達になれたら面白いだろうなぁと思ったけど、いきなり連絡先を聞くのはせっかちと言うよりもあまりにもケチであろうと思ったので、挨拶をしてその場で別れた。縁のある者であればまたどこかで会うだろう。

と言う訳で雑炊を調理する時間など無く、家に帰ってからもテニスの準備を終えすぐにテニススクールに向かい、スクールが終わってからは豊平川河川敷のテニスコートでまだネットも張っていないのに一時間ほどテニスをしてしまったため、久しぶりにシャリバテ時のあの気だるい感じになってしまいました。

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誰もいねー!!

そして結局晩飯は近所のサイゼリアでたらふく食べまてしまいました。作ったおにぎりどうしよう…

〜 次の日 〜

せっかくなので晩飯に雑炊を作ることにしたのです。

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湯を沸かしインスタント味噌汁を二袋、おにぎりを二個を投入。スプーンでぐるぐるかき混ぜておにぎりを汁に馴染ませる。

うん、結構うまい。若干塩気が強いが運動後に食べることを考えるならこれぐらいが丁度良い。

陸地測量部の味を体感できたので満足です。

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