every new beginning comes from some other beginning's end だなぁ

【北アルプス】槍・穂高縦走登山 Part 2

山荘内もまだ暗い04:00AMに起床して出発の準備を始める。俺らと同じように早朝の穂先を目指そうとするのか、他の部屋の客もゴソゴソと動き始める。しかし同室の客らはその気配が無いので準備に気を使う。

外に出てみるととても寒い。3000メートル級の山の朝なので当然である。フリースとレインウェアの上を着込んだ。

手ブレ写真ですんません…

04:40AM、ヘッドランプの一団を確認することができた。既に登り始めている者もいるようである。よし行くかと俺らも後に続く。

穂先へのルートは登りと下りで分けられている。

しかし交差する箇所もあるため、そこの順番待ちで渋滞が発生することもあるが朝一番は特にそれで待たされることは無かった。


ちなみに今回の山行ではカメラを手に取って撮影することが難しいだろうと思われる場所が多々存在するのでゴープロにヘッドマウントストラップを装備して持ってきた。

しかしこの槍の穂先往復でバッテリーがすっからかんになってしまいましたとさ…笑

軽量化のためにモバイルバッテリーは持ってこなかったので、肝心の大キレットでは動画を撮れませんでした。


穂先までは道という道は無く、岩をよじ登っていくような感じ。つかみ易い位置に岩があったり肝心な部分は杭が打ってあったりと登る前に全体を眺めていた時と比べると登りやすいなという印象である。

ヘッドランプの明かりを頼りに登っていく。と、言ってもカメラが暗いだけで実際にはもっと明るかった。途中、ペースの早いおじさんと外国人の兄さんに道を譲って先に行ってもらった。

ほとんどの箇所で岩にへばりついている状態である。先のルートも見上げて確認するような感じ。

高度を上げていく。

山頂直下の長いハシゴ。

を、一段一段登っていくと

05:00AM 槍ヶ岳山頂

山頂である!

人だらけ…笑

狭い山頂なのでこうなってしまうのだな。槍ヶ岳の標木と写真を撮ろうとする列で待ち行列が出来ていた。

もちろん我々もいただきました!

狭い山頂なので長居はできず、写真を撮って景色を眺めたらすぐに下山開始。ハシゴ、鎖場を一人ずつ慎重に下っていく。

05:25AM 下山完了

昨日の山荘到着時はガスがかかったりかからなかったりで山頂からの景色は見られなさそうだな〜、なんて話していたけど、明けてみるとまぁ快晴!我々の晴れ男っぷりは北アルプスでも健在のようであった(なんせ、屋久島を一週間晴れ上がらせた実績がある!笑)

下山後しばし休憩、朝食の代わりのお弁当(豚肉とか豆の炊き込みご飯→美味い)をパクついた。

06:10AM 槍ヶ岳山荘出発

昨日までの天気予報では今日は雨やら強風やら雷雨の予報であったのに、見渡す限りの晴れ空となっている。

あまり天気が良くないなら横尾まで下山して涸沢経由で奥穂高だな、なんて話していたのだがこの天気である。北アルプスの難所『大キレット』に挑戦することにした。


大キレット

大キレット(だいキレット)は、長野県の南岳と北穂高岳の間にあるV字状に切れ込んだ岩稜帯である。この縦走ルートは痩せた岩稜が連続し、長谷川ピークや飛騨泣きといった難所が点在する。

近年、関係者の尽力により足場などの設置が施され、以前に比べて危険度は減少している。それでも毎年数名の死亡者と多数の負傷者が出ており、国内の一般登山ルートとしては、今なお最高難度のルートの1つである。

Wikipediaより


槍ヶ岳山荘を出発し、南岳小屋を目指す。

07:08AM 中岳

いやー、稜線がすごいものー。

Photo by 狸パイセン

08:22AM 南岳

天気がいいわー。てかちょっと地味な存在の南岳ですら標高3000m越え。すごい世界だ。

ちなみに特によく考えず暑いからと腕まくりしてたらめっちゃ日に焼けてました。皮がむける程の日焼けなんて久しぶりだ。

Photo by 狸パイセン

南岳を越えるとすぐに小屋が見えてくる。南岳小屋だ。

08:30PM 南岳小屋

当初宿泊予定だった南岳小屋に着。大キレットは目前である。

宿泊予約のキャンセルと水の補給(¥200/L)をした。30分程休憩。

ここで狸パイセンがトイレに発つ。

Photo by 狸パイセン

最高ですねこのポスター。大好きです。

09:00AM 南岳小屋出発

大キレットは目前!

この南岳小屋に着く前にすれ違った兄貴たち(北穂高方面から大キレットを渡ってきた人)からは

『ここら辺(中岳あたり)は大したことないけど大キレットは怖かったね!』

とか

『鎖場とかよりも、落石が本当に危ないね』

とか、ありがたいお言葉をいただき股間にぶら下がるあれが引き締まる思いでありました!

実際、小屋を過ぎてから妙にソワソワというか緊張というか胸の高鳴りが感じられるようになり、脳内で何らかの物質が噴出しているんだろうなーと思った。

キレットの底部にたどり着くために鎖場やハシゴを使い高度を下げていく。

南岳小屋側から大キレットへの降下 Photo by 狸パイセン

いよいよ全景の登場である。

いいですかみなさん?

ここからあそこに行くんですよ!?んでもってさらによく見てください

なんとあんなところに小屋が!小屋があるんですよ!うっわめっちゃかっこいい!感動!


これは北穂高小屋。キレット底部から眺めるとさながら天空の城と言うに相応しい出で立ちである。めっちゃカッコいい。ちなみに薄く雲がかかると神々しさが増しさらにカッコよくなる。

こんな所を行くのか…と若干引き気味であるがやる気はある。天気良好。

そして南岳小屋からの道程を振り返る。

こんな所を降りてきたのか…と妙に冷静になってみたりする。

南岳小屋からヘルメットを装着したままである。ゴープロのバッテリーが無くなってしまい、写真は適当な場所で撮った適当なものしかないので、大キレットのこの迫力を伝えられないかもしれないのが残念である。

実際には全景写真のように全てがナイフリッジのようになっている訳ではない。南岳小屋側から長谷川ピークまでは人がすれ違える程の幅の岩稜帯である(それでもちょっと足を滑らせれば転落間違いないが…)。

途中、ヘリを確認した。県警のヘリなので物資輸送ではなさそうだ。北穂高を過ぎたあたりでグルグルと何かを探すように飛び回っている。少しビビる。

10:29AM 長谷川ピーク

Photo by 狸パイセン

ここからは、ナイフリッジやら飛騨泣きやらと難所が続く。けど、足場を慎重に探しながら進めば何てことないと思った。

ナイフリッジ通過中 Photo by 狸パイセン
余裕の狸パイセン氏
飛騨泣きの大岩

ゴープロが生きていればもっと面白い写真が手に入ったのに〜…もうこの時は北穂高小屋に着くことだけを考えていたので、写真の構図やら何やらを考えている余裕は無かったのである。

最後の最後に北穂高小屋直下の登り。これもまたシンドイものがある。前日の筋力消耗分が完全に回復しない中でのここまでのキレット通過であるので、体力と言うよりは筋力が落ちているためだ。そんな中、途中、ザレ場の鎖場があって『殺す気か…』と思った。

北穂高の岩壁

12:29PM 北穂高小屋

ついた!大キレットを攻略した!

まずは

メシだ!Umeeeeeeeee!!

アミノバリュー(¥400)と一緒にテラスから大キレットを望みながらの昼飯とは贅沢であるな〜。甘めのカレーが美味い~。

北穂高小屋もまた良い雰囲気でした。

当初、今日の予定としてはここからさらに進み、穂高岳山荘まで行こうとしていた。が、大キレットの通過でそれなりに疲れたし、ここから先でウロウロしていた県警ヘリを見てからは、その計画に対して腰が砕けてしまった。

※大キレットよりも北穂高岳-奥穂高岳間の方が危険という人もいる

そこでまたまた柔軟に予定を変更して、ここから涸沢へ下り、涸沢にて一泊することにしたのである。北アルプスはルートが多いから臨機応変に計画を変えられて良いですね〜。

13:05PM 北穂高小屋出発

売店で水を購入して(¥200/L)、北穂高岳(3,106m)の標木を写真に収め、涸沢への下山開始。

すでに涸沢カールが見えている。

しかし足の疲労もあってここからがとても長く感じた。ヘルメットと手袋をしていると発汗がすごい。

涸沢までは約1.9km

北穂高から涸沢までのルートは100%の岩場で、斜度もまぁまぁキツイ。途中一箇所ちょっと曲者な鎖場があったけど、それ以外は何ともない。

曲者な鎖場 Photo by 狸パイセン

足の疲労でなかなかペースが上がらない。涸沢は常に見えているのに距離が縮まらない。細かく休憩を入れながら進む。

15:45PM 涸沢小屋

やっと着いた…槍ヶ岳山荘までの登りも辛かったが、北穂高小屋から涸沢への下りも辛い!疲れる!

ところで、涸沢小屋は北穂高小屋から電話(スマホが通じた)で予約しといたんだけど、勝手に涸沢と言えば『涸沢ヒュッテ』なんだろうと思っていたら

  • 涸沢ヒュッテ
  • 涸沢小屋

の二つが涸沢にはあったのですね。すっかり勘違いしておりました。しかし!雰囲気良くてメシが美味くて布団もキレイ(笑)な涸沢小屋はとても良かったわけであります。

おでんとビールがうめぇんだわコレが。穂高の山々を眺めながら、これもまた贅沢である。

大キレット踏破の北アルプス二日目が終了。涸沢小屋で一泊!

続く

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